ミシンを始めようと思ったとき、ミシン本体のほかに何を揃えればいいのか、意外と迷うと思います。
裁縫道具を見ていると、便利そうなものがたくさんあります。
私も長くミシンを使っているうちに、ロータリーカッターや目打ち、クラフトはさみなど、いろいろな道具を使うようになりました。
でも、最初から全部必要だったかというと、そんなことはありません。
そこで今回は、「初めて家庭用ミシンを使って、シンプルな布小物をひとつ作るなら」と考えて、最初に揃えたいものを選んでみました。
普段よく使っている便利な道具もいったん外して、実際にこの道具だけで小さなバッグも作ってみました。
最初からたくさん揃えなくても、まずはこれくらいあれば始められます。

家庭用ミシン初心者なら、まずはこれだけ
今回、「最初に揃えるなら」と考えて選んだのは、次のものです。

- 布
- ミシン糸
- ボビン
- ミシン針
- 裁ちばさみ
- 糸切りばさみ
- 透明定規
- チャコ
- まち針
このほかにアイロンも使いますが、裁縫用に新しく用意する必要はなく、家にあるもので十分です。
ミシン針やボビンはミシンに付属していることもあるので、買う前に付属品も確認してみてください。
布|最初は扱いやすいものを
今回は、表布にオックス、内布にシーチングを使いました。
接着芯や接着キルト芯は使っていません。
バッグやポーチを作るときは接着芯を使うことも多いのですが、最初の一作品なら、扱いやすく適度にハリのある布を選べば、必ずしも必要ではありません。
今回は小さなバッグだったこともあり、オックスだけでもしっかり形になり、マチを3cmつけると接着芯なしでも自立しました。
最初から材料を増やすより、まずは縫いやすい布でひとつ完成させてみるのがおすすめです。
ミシン糸・ミシン針・ボビン
ミシンで縫うために必要なのが、ミシン糸・ミシン針・下糸を巻くボビンです。
今回使ったのは、60番のミシン糸と11号のミシン針です。
普通地を縫うなら、私はこの組み合わせをよく使っています。
ただし、針や糸は布の厚さによって使い分けます。最初からいろいろな太さを揃えるより、まず作りたいものに合うものを用意すれば十分です。
ボビンはミシンによって合うものが違うので、買い足す場合は使っているミシンに対応しているものを確認します。
裁ちばさみ|まずは布を切れるものを1本
布を切るための裁ちばさみです。
私は普段、ロータリーカッターもかなり使います。
正直、今回も使いたくなりました。
でもロータリーカッターを使うにはカッターマットも必要になります。
「最初に揃えるものをできるだけ少なくする」という今回の条件なら、まずは裁ちばさみがあれば十分。
実際に今回の小さなバッグも、ロータリーカッターは使わず、裁ちばさみだけで裁断しました。
私が使っている裁ちばさみは、もともと母が使っていた古いものです。今も問題なく使えているので、そのまま使い続けています。
糸切りばさみ|裁ちばさみとは分けておきたい
「はさみがあるなら、裁ちばさみだけでもいいのでは?」と思うかもしれません。
でも、糸を切ったり細かいところを切ったりするには、小さな糸切りばさみが便利です。
私は縫い目をほどくときにも、糸切りばさみを使うことがあります。
裁ちばさみは布を切るためのものなので、細かな作業まで一本で済ませず、糸切りばさみは最初から別に用意しておくのがおすすめです。
透明定規|1本なら目盛りとラインが見やすいもの
定規を最初に1本だけ用意するなら、私は透明なものを選びます。
布が透けて見えるうえ、定規に入っているラインを布端に合わせられるので、直角の線を引くときにも分かりやすいからです。
今回も、布の寸法を測ったり、カットラインを引いたりするのに使いました。

メジャーも持っていますが、今回のような小さな布小物なら、透明定規一本で間に合いました。
今回使った透明定規は100均で購入したものです。
チャコ|使う布に合わせて選ぶ
布に印をつけるためのチャコです。
今回はオックスを使ったので、シャーペン型のチャコを使いました。
私が使っているのは、旧タイプの「カリスマ」の布用シャープペンシルです。細い線が引きやすく、布の色に合わせて黒・白・ピンクの芯を使い分けています。替芯があるので、本体を長く使えるのも気に入っています。
現在はデザインが変わっていますが、Sewline(ソーライン)ブランドで販売されています。
チャコにもいろいろな種類があり、布によって書きやすさが違います。最初から何種類も揃える必要はなく、まず使う布に書きやすいものがひとつあれば十分です。
中でもピンクは、ピンク系の布以外なら比較的見やすく、出番が多い色です。
まち針|初心者なら数本あると安心
布を重ねて縫うときに、ずれないように留めるために使います。
私は慣れていることもあって、布端を手で合わせながらそのまま縫ってしまうことも多いです。
実は今回のバッグを作っている途中でも、最初はまち針を使わずに縫っていました。
でも、ミシンに慣れないうちは、布を合わせることとまっすぐ縫うことを同時にするのは大変です。
最初はまち針で布を固定してから縫うほうが、ずれにくく安心だと思います。
たくさん揃える必要はなく、まずは数本でも十分です。

まち針を付けたままミシン針のところまで縫わず、ミシン針が近づく前にまち針を抜きます。
ミシンでまっすぐ縫うときに私が意識していることは、こちらの記事にまとめています。
→ 家庭用ミシンでまっすぐ縫うコツ|私が意識していること
最低限の道具だけで実際に作ってみました
「これだけあれば大丈夫」と書くなら、本当に作れるか試してみようと思い、今回選んだ道具だけで小さなバッグを作ってみました。
作ったのは、ファスナーやボタン、ポケットのないシンプルな形です。
表布はオックス、内布はシーチング。接着芯や接着キルト芯も使っていません。
普段ならロータリーカッターを使うところも、今回は裁ちばさみで裁断しました。

縫っている途中で「やっぱりこれも必要だった」と別の裁縫道具を追加することもなく、最初に選んだ道具だけで最後まで作ることができました。

マチは3cm。
接着芯を使っていないので、もう少しくったりするかと思いましたが、オックスには適度なハリがあり、小さなバッグならこれだけでもしっかり自立しました。
最初の一作品なら、ファスナーやボタン、接着芯などを使わないシンプルなものから始めると、必要な材料や道具も少なくできます。
最初から揃えなくてもいいと思うもの
裁縫道具には、あると便利なものがたくさんあります。
私自身もいろいろ使ってきましたし、今では手放せないものもあります。
でも、便利なものと、最初から必要なものは別。
まずは最低限で始めて、不便を感じたときに買い足しても遅くありません。
ロータリーカッターとカッターマット
ロータリーカッターは、私はかなりよく使います。
長い直線を切るときにも便利で、一度使い慣れると手放しにくい道具です。
ただし、ロータリーカッターを使うにはカッターマットも必要です。
最初から両方揃えなくても、まずは裁ちばさみがあれば布は切れます。
今回のバッグも、ロータリーカッターを使わずに最後まで作れました。
「裁ちばさみで切るのが大変」「もっと手早く裁断したい」と感じるようになってから追加しても十分だと思います。
クラフトはさみ
クラフトはさみも、今では私にとって手放せない道具のひとつです。
細かいところを切ったり、布以外のものを切ったりと、何かと出番があります。
でも、ミシンを始めたばかりのときに絶対必要かというと、そうではありません。
最初は裁ちばさみと糸切りばさみがあれば十分。
作るものが増えて、「ここを切るのにちょうどいいはさみが欲しい」と思ったときに追加すればいい道具だと思います。
クリップ
布を挟むだけで留められるクリップは便利な道具ですが、私はそれほど頻繁には使っていません。
布を取り回しているうちに少しずれるのが気になるので、しっかり固定したいときはまち針を使います。
もちろんクリップのほうが使いやすい人もいると思いますが、初心者が最初にどちらかひとつ用意するなら、私はまち針を選びます。
目打ちとリッパー
どちらも持っていますが、最初から必ず揃えなくてもいいと思います。
私は縫い目をほどくとき、目打ちで糸を少しずつほどいていくことが多いです。
時間はかかりますが、リッパーで一気に切ったときに細かい糸くずがたくさん出るのがあまり好きではありません。
厚い生地など、ほどくのが大変なときは途中で糸を切ることもありますが、私はその場合も糸切りばさみを使っています。
目打ちもリッパーも便利ではありますが、まず一作品作るための道具としては後回しで大丈夫です。
ピンクッション
私は自作のピンクッションを使っていますが、これも最初から買わなくていいもののひとつです。
まち針がケースなどに入っているなら、使ったらそこへ戻せば十分です。
小さな皿などを針の一時置き場にしてもいいと思います。
ただし、針は危ないので、机の上にそのまま置かず、使ったら必ず決めた場所に戻すようにします。
メジャー
メジャーも持っていますが、小さな布小物を作るくらいなら、今回は透明定規だけで間に合いました。
曲線や大きなものを測るようになれば便利ですが、最初から定規とメジャーを両方揃えなくてもいいと思います。
アイロン定規
便利そうだと思って、私はクロバーのアイロン定規も買いました。
ところが、実際に使ったのは数回ほど。
道具そのものが悪いわけではなく、私の作り方ではあまり出番がありませんでした。
反対に、最初は持っていなかったクラフトはさみのように、後から使い始めて手放せなくなった道具もあります。
このあたりは、作るものや作業の仕方によって必要な道具が変わるところだと思います。
道具は必要になってから増やせばいい
ミシンを始めるとなると、最初に裁縫道具を一式揃えたくなるかもしれません。
でも、実際に最低限の道具だけで作ってみると、なくても困らないものは意外とたくさんありました。
まずは、
布を測る。
印をつける。
切る。
合わせる。
縫う。
糸を切る。
アイロンをかける。
この作業ができるものがあれば、シンプルな布小物なら作れます。
最初から便利な道具を全部揃えるより、まずひとつ作ってみる。
その中で、
「裁断をもっと楽にしたい」
「細かいところを切りやすくしたい」
「布を留めるのに別の方法を試したい」
と思ったら、そのときに道具をひとつずつ増やしていけばいいと思います。
私も長くミシンを使ううちにいろいろな道具を使ってきましたが、よく使うようになったものもあれば、買ったもののほとんど使わなかったものもあります。
自分が作るものと、自分の作り方に合う道具は、実際に作りながら見つけていく。
最初は「まずこれだけ」で大丈夫です。


